誤嚥性肺炎について
先ず、『誤嚥』について簡単に説明します。
通常であれば、食べ物は食道を通って胃へ向かいます。
それが様々な原因により、食べ物が食道ではなく気道を通って肺に向かった場合を『誤嚥』と言います。
食べ物→食道→胃へ向かう=問題なし
食べ物→気道へ侵入→肺へ向かう=誤嚥
万が一、食べ物が間違って気道を通れば、強くムセて気道から排出されます。
しかし、この『ムセる機能』が鈍ってしまうと、気道に入り込んでしまった食べ物を排出できず、結果として肺炎を起こすことがあります。
このように、食べ物や唾液などの誤嚥が原因で起こる肺炎を誤嚥性肺炎といいます。
唾液だけでも『誤嚥』は起きますので、ご飯を食べていなくても誤嚥性肺炎になってしまうこともあります。
元気な人でも、睡眠中に無自覚に唾液などを誤嚥していると言われていますので、普段から口の中や喉をキレイにしておくことは誤嚥性肺炎の予防に繋がります。
誤嚥性肺炎になると、発熱や激しい咳と黄色い痰が出る、呼吸が苦しい、肺雑音がするなどの症状がみられます。
風邪と似た症状の為、間違えて診断されてしまうことがあり、胸部レントゲンや聴診などで肺を確認してもらう必要があります。
特に高齢者では、このような症状がある場合は、誤嚥性肺炎の可能性が高くなります。
日常生活の変化に気をつけ、これらの兆候がみられたら、すぐにかかりつけの医師や病院に相談することが、誤嚥性肺炎の発見につながります。